3Dプリンタの造形物(フルボトル専用発光台座ケース)を型取り・複製する 〜反省編〜

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型取り編の冒頭でも少し述べましたが、今回の型取り初挑戦、三回目でようやくまともなものが出来上がりました。じゃあ、一回目と二回目は何が悪かったのか?

せっかくなので、自分の失敗をまとめておきたいと思います。自分と同じように型取りに初めてチャレンジする人には、何がしか参考になるかもしれません。

 

まず、こちらが最終的にうまくいったときのシリコン型です。

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そして、こちらが初めて作ったシリコン型です。

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上下分割ではなく、前後分割になっています。

なんでこんな向きで作ってしまったかというと、

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ご覧の通り、フルボトル専用発光台座には三か所の穴が空いています。「この穴をシリコンが完全に通って固まってしまうと、シリコンが貫通して固まってしまうと、あとで原型、あるいはレジンを使った複製物が型から外れなくなってしまうのではないか?」というところを気にし過ぎて、穴の部分で型が分割できるように、前後分割で型を作ってみたのです。

が、結果として、最初の原型を型から外すところでものすごく苦労することになりました。いくらシリコンが多少曲がってくれるとはいえ、さすがにあの向きでは、発光ユニットを納める空洞部分にシリコンが密に詰まってしまっているため、原型を外そうとすると、その部分のシリコンが千切れそうになってしまいました。

ということで、このシリコン型については、レジンを注入するまでもなく失敗ということで、二回目のチャレンジに入りました。気にしていたネジ穴の部分については、「塞がってもいい、あとで穴を開けよう」というふうに方針を変えました。

ちなみに、レジンは簡単に穴空け加工ができます。自分は以下のピンバイスとドリルを組み合わせて使っています。

 

さて、二回目にできたシリコン型がこちらです。

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三回目の型に近いですが、向きが90度違います。

なぜこの向きにしたのかというと、最終的な複製物を真正面から見ることを考えたときに、レジンが注入されてくる穴が正面にきてしまうのを避けたいと思ったからです。

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これは三回目に作った型でレジン複製したものですが、確かに正面にあまり見栄えのよくない出っ張りができてしまっています。

こうなることが予想されたので、「せめてレジンが流れてくるところは側面にして目立たせないようにしよう」と考えて、このような向きで型を作ってみました。

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空気穴はこんな感じで開けてみました。

 

さて、実際にレジンを流し込んでみたところ、

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こんな感じで、気泡による大きな欠けが発生してしまいました。

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先ほど欠けていたのは上の①の部分なので、ここは大きめに空気穴を作ることで欠けをなくすことができました。ただ、実は②の部分に相当するところでも小さな欠けが発生していて、これをなくすための空気穴も開けようかと思ったのですが、この向きだと②の部分にうまく空気穴を開けることができません。

②の部分の欠けはそんなに大きくはないものの、やはり人様にご提供するものを作ろうと考えると、ここで妥協してしまうのはよくないと思いましたので、両方のネジ穴を通す部分に空気穴を作りやすいよう、向きを90度変えて再々チャレンジしました。その結果が、三回目の型になります。

 

さて、実はこの二回目のチャレンジのときに、もう一つやらかしてしまいました。

 

前回の複製編でも述べましたが、複製をするときに二つの型を密着させる方法として、通常なら輪ゴムの二重巻きあたりが一般的(?)なのですが、

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自分はこんな感じで、さらにテープまで巻いています。

なぜここまでしているのかというと、初めてレジンを注入したときに、輪ゴムだけだと密着できていなかったのか、

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こんな感じで、レジンが下からどんどん漏れていってしまいました。。。こういうこともありますので、レジンを注入するときは下に何かを敷いておきましょう。。。

こんな経験もあり、一応念には念を入れて、複製するときは毎度テープで下側を覆うようにしています。少しでもレジンが漏れにくくなるように。

 

あと、別の部品の型取りをしているときに、シリコンを注いでしばらくしたあと、レジンの通り道として粘土にはめ込んでいた部品が浮き上がってくる、というトラブルもありました。

このときは上から割り箸で抑えて、割り箸ごと固めてしまい、あとで割り箸を切り取ってしまいました。

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こんな感じです。うーん、かっこ悪い。。。まあ、機能的には問題ないので、良しとします。

 

ということで、更新頻度が遅いこともあって長くなってしまいましたが、一応型取り初挑戦の記録はこれでおしまいです。

今回は3Dプリンタの生成物を複製するために型取りにチャレンジしましたが、元々型取り自体は別に3Dプリンタの生成物を複製するためだけのものではなく、もっと広く適用できるものです。そのため、いろいろモノを作るのが好きな方は、3Dプリンタの所有の有無に関わらず、身につけておいて損はない技術かと思います。

次回は、3Dプリンタの生成物ではないものを複製して、ちょっと遊んでみようと思います。

あ、その前に、昨年同様、今年作ったものを振り返る記事を一回挟みます。