最近の自分のBS01まとめ

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組み立て式3DプリンタであるBS01を買ったのは2014年の年末です。頑張って組み立てて、そこから三ヶ月ぐらいは色々造形してみたりしていたのですが、あんまり綺麗に造形できなくて、しかも気温条件を整えたりなんなりしなきゃいけないのがなんだか面倒になってしまって、半年〜1年ぐらい放置してしまいました。

が、最近ちょっとしたきっかけがあって再び色々造形してみるようになって、自分のやってた大間違いに気づいてからはだいぶ造形もマシになり、そこから一気に本体に色々手を加えたりしたので、せっかくなのでご紹介しておこうと思った次第です。いつも参照させていただいているこちらの歯医者様とやっていることはほとんど同じですが、バリエーションの一つということで、大目に見て頂ければ幸いです。

銅板+BuildTak+ケープ

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何より先にまずコレ。銅板の購入方法とかは、自分で書いた記事ですがこちらをご参照ください。

基本はBuildTak+銅板だけですが、たまに最初のフィラメントの食いつきが悪かったりするので、そのときはケープのスーパーハードを吹っかけたりしています。

ケープを銅板+BuildTakに吹っかけるときは、BS01の筐体内部で吹っかけるとケープののり状物質がプリンタ内部に付着してしまい故障の原因になるそうなので、銅板+BuildTakをBS01の筐体の外に出して吹っかける必要があるとのこと。

ケープを吹っかけるのは随分前からノウハウとして展開されていた気がしますが、「筐体内での吹っかけはダメ」の注意が展開されたのはごく最近の気がします。自分はそもそもケープを使い始めたのがつい最近だったのであんまり被害はないような気がしますが、それでもこの注意が展開されるのを見るまでの数回は筐体内での吹っかけを行っていました。

BS01を使い込んでいる方々からすれば「ちょっと考えればそれやっちゃダメなことぐらいわかるでしょ」的な感じで展開すらされなかった話なのかもしれませんが、自分みたいなお馬鹿さんなBS01ユーザも世の中にはいるのです。

ちなみに、新しいBuildTakを使ってもケープを使ってもフィラメントが食いつかない、というときには、そもそもノズルとテーブルの間の距離調整がうまくいっているかどうかを確認した方が良いかと思います。自分の場合はちょっと 間が開き過ぎになっていたようで、それに気づかずにBuildTakの劣化の方を疑ってしまい、BuildTakを何枚か無駄にしてしまいました。。。

参考:

BS01とBuildTakのために角井銅商店で銅板を購入したお話

BS01 Wiki 3D造形方法

 

Z軸のシャフトの交換

続いて、簡単にできそうだったZ軸のシャフトの交換に手をつけました。なんでもデフォルトのBS01のZ軸のシャフトは傷がつきやすく、それが原因でZ軸の移動に影響が出てしまうのだそうな。

「金属なんだから、そんな簡単に深刻な傷なんてつくもんなのかな?」と正直思って自分のZ軸のシャフトを外してみると、

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こんな感じになっていました。写真をクリックしてもらうと分かりやすいですが、2本とも真ん中あたりに結構深めの線が入ってしまっています。そんなにたくさんの造形をしているわけでもない自分のものでもこんな感じなので、もっと深刻な状態の人は結構いるのではないかと思います。

で、交換する部品の調達ですが、モノタロウで発注する手もあるようですが、今ならデアゴスティーニの週刊マイ3Dプリンターを買ってしまうのが一番簡単ではないかと思います。

47号に、強度が強くなった焼入済みシャフトが2本入っています。これを手に入れたら、Z軸のシャフトを固定しているプレートを外して、元のシャフトをくるくる回して抜き取り、新しいシャフトに交換。最初新しいシャフトがうまく入ってくれなくて焦りましたが、何度か試行錯誤すると無事にはまりました。

参考:

3Dプリンタ「BS01」に施した改造(カスタマイズ)まとめ

BS01(BS01+)にidbox!のパーツを組み込み強化する

 

ベルトテンショナーつきモーターブラケットの作成・取付

次は、ちょっと難しそうでしたが、ベルトテンショナーつきモーターブラケットの作成と取り付けです。

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これとこれです。詳しい作り方はこちらに詳しく書かれています。必要な材料も親切に書いてくださっていますが、ベアリングを固定するためにM3ネジ1個が必要なことが書かれていないので、そこだけ注意が必要です(記事で3のパーツにベアリングを固定しようとするところで必要になる)。自分は手持ちで余っていたものを使いましたが、BS01の余りパーツで何とかなるのかもしれません。確認していませんが。

ブラケットを挟んでモーターをネジ止めするところがちょっと大変かもしれません。ブラケットのネジの穴は造形したときの設定によっては3mmよりも若干狭くなってしまっていることがあり、この場合ネジ止めにかなり力がいることになるので、プリントしたものはできれば事前に3mm電動ドリルで穴を広げておいた方が取り付けはラクです。可動パーツ以外のネジ3つを先に固定しておいて、可動パーツのところは力を入れてちょっと持ち上げたりズラしたりしながら、うまくネジがはまるところを見つけると良いです。

参考:

3Dプリンタを改造しよう!——ブレを減らすベルトテンショナー付きモーターブラケット

 

ガントリーサポート取付とX軸・Y軸ロッド交換

ガントリーサポートはこちらで公開されているSTLデータを利用させていただきました。

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データのあるところに「XY軸のがたつきを押さえ安定した造形を可能にする」と書かれているのですが、ほぼY軸方向のガタつきを抑えるものだと思った方が良いかと思います。

記事にある通り、内径6mm×10mmブッシュ2個とM6ネジが必要になります。ただ、自分の場合、やっぱり造形したもの穴が狭くて、テーパーで穴をだいぶ広げてからブッシュを無理やり押し込みました。また、M6ネジも25mmだと長すぎて(自分のがデュアル用だから?)、もう5mmぐらい短くて良かったかなと思っています。

それから、ガントリーサポートを取り付けるためにセンターのY軸ロッドを外す必要があったので、せっかくなのでセンターのX軸とY軸も焼入ロッドに交換することにしました。これもZ軸シャフトと同様、デアゴスティーニの週刊マイ3Dプリンターの以下の2つの号で入手できます。

参考:

BS01改造部品

 

ファンダクト

PLA向けのファンダクトはこちらで公開されているSTLデータを利用させていただきました。

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こちらについても、ベルトテンショナーと同様に詳細記事を公開してくださっている方がおられるので、そちらを読むのが良いと思います。交換のために外す部品も少なくて、とてもお手軽です。

参考:

BS01改造部品

3Dプリンタを改造しよう!——より綺麗に造形できるファンダクト

 

保温箱

保温箱については、最初は正面・側面をダンボールで覆っていたのですが、今は余っていた透明ビニールのテーブルクロスで覆っています。

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テーブルクロスの上の方に2つ穴を開けて、天板の二つのネジに通してたらすようにすると、結構綺麗な感じになります。保温効果がどれだけあるかはわかりませんが、筐体内部へのアクセスも比較的しやすいので、個人的には気に入っています。

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正面も同様です。クルクル歯車の固定ネジのところは大きめに穴を開けて、ワッシャを2枚重ねて少し浮かしてあるので、クロスと干渉することなくちゃんと回ります。

天板の開放部分についてはダンボールで覆うようにしていますが、ヘッドの移動によって起こるチューブの持ち上がりを考慮しきれず、微妙に高さが足りなくなってしまいました。。。ヘッドが移動すると、乗せてたダンボールが動いてしまいます。

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ということで、本来はBS01の下駄として履かせるパーツを天板側に乗せて、

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 その上に段ボールを乗せるという形に。これでダンボールは安定しましたが、隙間が空いてしまっているので、保温効果は正直微妙かもしれません。

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ちなみに天板上のダンボールはてっぺんの部分を側面と同様に透明ビニールのテーブルクロスにしているので、造形状況を上から確認しやすいです。

参考:

綺麗に造形するコツ – BS01 wiki

 

LEDライト

上の保温箱では上から覗ける覗き穴を作ったのですが、暗いと黒フィラメントを使ったりしているときには状況がよくわかりません。

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ということで、ダイソーで買ってきた100円のUSB接続LEDライトを後ろから伸ばしてみました。

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こんな感じで、明るく照らしてくれます。

ちなみにこのLED、どこから電源を取っているかというと、

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BS01の背面に置いてある外付けモジュールのUSBから供給しています。これ一体何かと言いますと。↓

Fabbop Cast

ビトム株式会社さんが、3Dプリンタのオープンクラウドプラットフォームのβ版を最近(2016/4/12)リリースされました。このサービスでは、Fabbop Castというモジュールを3Dプリンタに接続すると、以後はFabbopのWebサイト上から自分の3Dプリンタを制御することができるようになります。PCと直でUSBに繋がなくてよくなる(=スタンドアロン化する)ので、より手軽に3Dプリントを楽しめるようになります。Fabbopのサービスは、ありがたいことにBS01にも対応しています。

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ちょっとご縁があって、このFabbop Castの試作機をお借りすることができました。BS01のコアなユーザの方々だと、自前でRaspberry Piを用意して、AstroBoxというのを自力でインストールして同じようなことをするのでしょうが、これだと用意されたFabbop Castを繋ぐだけなので大変ラクです(この試作機も中身はRaspberry Piそのものですが)。

造形するときも、ラフトやブリムをつけるかどうか、フィラメントはPLAなのかABSなのか、とかを選ぶぐらいで、リトラクトがどうとか充填率がどうとかを考える必要はありません。自分がしばらく3Dプリンタから遠ざかっていたのは、このへんの勘所が全然わからなくて結局どうしたら綺麗に造形できんねん、となってしまったのも一つの要因だったので、この手軽さは大変ありがたいです。

造形の出来具合については、概ね綺麗に出来上がるなあという印象です。簡単なケースとかをサクッとプリントするにはとても良いと思います。

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こんなのとか。これはABSで造形してます。あと、上で紹介したベルトテンショナーとかファンダクトとかガントリーサポートとかも、実はFabbopを使って造形しています。おかげでだいぶ手軽にBS01をパワーアップできました。

Fabbopを使ってプリントすると、少なくともソフト側の設定でおかしなことにはなっていないハズという安心感があるので、ハード側の方に原因があるハズだと、自分を納得させることができます。ハード側の調整だけは相変わらず自分でやらないとダメですが、「ハードが悪いのかソフト設定が悪いのか」という大きな原因の切り分けができるだけでも、初心者にとってはだいぶ助かるサービスかと思います。3Dプリントを極めている人からすれば、「ブラックボックス過ぎて信用ならん」となるかもしれませんが。

参考:

3Dプリンタオープンクラウドプラットフォーム「Fabbop(ファボップ)」β版をリリース

 

フィラメント

基本的にBS01の強化部品はABSで造形していたので、そのまましばらくABSを使っていたのですが、どうにも頭が痛くなってしまった(←比喩ではなく実際に)ので、研磨できると噂のPLAVerbatim(バーベイタム)に切り替えました。

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最初はなんだかBuildTakへのファーストレイヤの食いつきが悪くて、おかしいなあと思っていろいろ調整した結果、ノズルとベッドの高さが離れ過ぎてしまっていたことが原因でした。そういえばこの部分のメンテナンスは全然してなかったな。。。

さてこのバーベイタム、確かに研磨できるので表面はサラサラにできますが、それでもやっぱりABSほど柔らかくはないので、ガシガシ後加工しなきゃいけないものについては、まだやはりABSの方が良いなあという気がしています。でも健康面での家庭の事情もあるので、当面はこれを使います。

あと、黒色のフィラメントは綺麗にヤスリがけしてやらないと、

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こんな感じになってしまうので注意しましょう。単に自分のヤスリがけが下手くそというのも大いにあると思いますが、ヤスリがけ前提なら白とか薄だいだい色とかの方が良いと思います。

なお、上記の造形物は結局、

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こんな感じで適当にスプレーのサーフェイサーをふっかけてから、

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適当にスプレーで塗装しました。塗装とかやったことないので、本当に適当です。

参考:

週刊マイ3Dプリンターのボンサイラボ監修!研磨が簡単にできる高性能 PLA フィラメント!

Bonsai Selection

 

なんだか予定よりだいぶ長くなってしまいましたが、以上がここ最近で色々手を加えた内容です。これで今のところは、それなりに満足出来るレベルの造形はできています。自分の場合、工作で必要なケースとか治具とかを作ることが多くて、フィギュアのように高い精度を求めていないからかもしれませんが。

一応、BS01を入手した直後に造形したもの(白色)と、上記諸々の手を加えたもの(黒色)の比較写真を載せておきます。白の方はソフト設定もよくわからない状態でReplicator-Host+Slic3rを使っていて、黒の方はFabbopにソフト設定はおまかせしています。

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。。。まあ、色々手を加えて良くなった、というより、「最初がヒドイ」という感じがします。でもこれが初心者です。

あと、Fabbopではなくて、最近買ってみたSimplify3Dを使って、こちらの歯医者様に倣ってドラゴンを造形してみた結果も載せておきます。

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 黒フィラメントのため見辛くて申し訳ありません。

ラフトをつけないと最初のフィラメントの食いつきがうまくいってくれませんでしたが、トータルで見るとそこそこ綺麗にはなってきたかなあ。。。という感じです。まだちょいちょいバリとかありますが。

まだ精度的には設定の仕方とか諸々改善の余地があるのかもしれませんが、少なくとも色々手を入れたことによって、「これが俺のBS01だ!」的な思い(←コロコロ・ボンボンマンガ風)が強くなって、自分のBS01に対する愛着は強くなったなあという感じです。BS01を使う頻度も上がりました。

そのおかげでウチのラズパイロボット、ラピロさんもちょっとだけオシャレになりました。ツートンカラー。

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ちなみに、ラピロの3Dデータはこちらで公開してくださっています。こういう使い道があると、3Dプリンタは楽しいです。