2019年につくったものまとめ

今年も恒例の、今年一年で作ったものの振り返り記事です。第4回。過去のものは以下から参照できますので、もしお時間ありましたらどうぞ。

今年は総じて、粒ぞろいと言うか、自分的にもよくできたと思うし、また他の皆様にも高く評価頂けたものがたくさん作れたかな、という印象です。

ではでは早速、振り返っていきましょう。今年も昨年に引き続き、作ったものの客観的評価を定量化するために、私がメインで使用しているSNS(YouTube・Twitter)上でのいいね数やリツイート数やらをカウントしています。数字は全て2019/12/29時点のものです。

1. カイザフォンX

YouTube

動画再生回数 548,304回
高評価数 6,667件
コメント数 508件

Twitter

動画再生回数 56,343回
いいね数 3,400件
リツイート数 1,809回

2019年最初の作品にして、同年でYouTube上での動画再生回数が最も多かった作品です。とにかく大変だった、という印象しかありません。ものづくりしていると、年に1個か2個は、後から振り返って『よくこんなもんつくったな、頭おかしいんじゃないか』みたいに自分でも思ってしまうような作品が出てくるのですが(←スマブラガシャットとかジーニアスフルボトルとか)、これもその類のものです。

何が大変だったかというと、内部スペースに対して詰め込む部品があり過ぎる、というのもあったのですが、何より『折りたたみギミックを維持したまま成立させる』というのがメチャクチャ大変でした。この制約のせいで、いつもは適当に済ませてしまう配線の仕方をものすごく考えなくてはならなくなりました。折りたたみ機構を殺してしまえば、スペースにも余裕ができて、もう少しラクに作れたと思います。でも、『折りたためないカイザフォンなんてカイザフォンじゃない』というか、それで作っても自分的に何か後悔が残りそうな感じがしましたので、腹を括ってやりきることにしました。最後の最後で液晶表示に不具合が出てしまったのが悔やまれますが、当初盛り込もうと思っていた機能は最終的に全部詰め込むことができたので、自分としては満足しています。仕組み的にも、ディケイドコンプリートフォームの表示を使って『COMPLETE』を再現する、加速度センサを使ってジクウドライバーの回転を認識させる、二つのタッチセンサでカイザフォンのキー入力を再現するなど、自分としてはなかなか良いアイデアを出せたかなと思うので、この作品が高く評価されたことはとても嬉しかったです。ありがとうございます。

また、さらにありがたかったのは、この作品が呼び水となって、昨年(2018年)に作った作品群が再評価頂けたことです。特にジーニアスフルボトルがすごくて、YouTubeの動画再生回数にして+20万回ほどの伸びを見せました。頑張って作ったものがたくさんの人に見てもらえると、やっぱり嬉しいのです。

2. ファイズアクセルX

YouTube

動画再生回数 467,109回
高評価数 5,905件
コメント数 541件

Twitter

動画再生回数 13,304回
いいね数 1,112件
リツイート数 526回

カイザフォンXでYouTubeの登録者数が一気に倍近く増えて10,000人ほどになったので、『せっかくたくさんの人が登録してくれたのだから、がっかりさせたくないな』と思い、カイザフォンXよりは簡単にできそうで、かつ、自分としても面白そうだと思えるものとして作ってみることにしました。きっかけは、ウチの長男が私のCSMファイズアクセルで遊んでいるのを見て『ファイズアクセルもライドウォッチもどっちも時計じゃん!』と気づいたことでした。ありがとう長男くん。

コンセプトとしては、『実際にジオウ本編に出てきてもおかしくなさそうなもの』を目指して作ってみました。普段は時計として使いつつ、戦闘時には時間限定で超加速を得られるライドガジェットとか、設定としても特に無理矢理感はない気がするので、自分としてはとても気に入っています。決して簡単に作れた訳ではありませんが、それでもカイザフォンXに比べれば遥かにラクで、一ヶ月ほどで完成させることができました。皆様の評価もカイザフォンXに次ぐもので、コストに対する価値のパフォーマンスがとても良いものになったと思います。本当はこういうものを次々作っていければよいと思うのですが、なかなかそううまくはいきません。

3. ネオディケイド&ネオディエンドライドウォッチ

YouTube

【ネオディケイドライドウォッチ】

動画再生回数 71,349回
高評価数 1,200件
コメント数 148件

【ネオディエンドライドウォッチ】

動画再生回数 233,955回
高評価数 3,220件
コメント数 274件

Twitter

動画再生回数 19,527回
いいね数 1,533件
リツイート数 693回

ファイズアクセルXから4ヶ月程開けての発表になった、自分としてもかなり珍しい、『同じものを2個作った作品』です。自分の基本ポリシーとして『同じものは二度と作らない』ということは決めている(←つまらないから)のですが、これは初めての例外です。もちろん、見た目には明らかに異なる二つなのですが、内部の仕組み的には全く同じものになるため、自分としては『同じものを2個作った』という認識になっています。

わざわざ2個作った理由は、『主役ライダーをディケイドに、サブライダーをディエンドに割り振ったほうが収まりが良い』ということももちろんあったのですが、一番大きかったのは、『協力依頼に対する対価を用意する必要があった』ということです。動画の中でも触れていますが、このネオディケイド&ネオディエンドライドウォッチについては、玩具塗装系YouTuber(?)として有名な、りんちゃんねるのK様に塗装して頂きました。基本的には、塗装はいつも自分で適当にやってしまうのですが、このネオディエンドライドウォッチについては、ほぼ必須となるシアン色での全面塗装が自分では難しいと思われたので、K様にぜひご協力頂きたいと思いました。ただ、手ぶらで『やってください!』とお願いするのも失礼かなと思いましたので、協力頂けた際の対価として、ネオディケイドとネオディエンドの二つを作って、いずれか一つをお渡しすることにしました。そんなわけで、現在、ネオディケイドライドウォッチは私の手元にあり、ネオディエンドライドウォッチについてはK様の手元にあります。ネオディエンドライドウォッチについては、K様の方でも紹介してくださっているので、宜しければこちらもどうぞ。というか、私の淡々とした動画より断然見やすいです。ありがとうございます。

基本的には自分一人で自由気ままにものづくりをしていたいタイプなので、ここまで他のYouTuberの方とコラボ的なことをやったのはこれが初めてで、今のところ唯一です。ちなみに、玩具改造系のYouTuberで自分がすごいなあと思うのはりんちゃんねるのK様かばやん様なのですが、K様は塗装、かばやん様は造形、自分は内部ギミックと、それぞれ得意分野が違うので、喰い合い(?)にならなくて良かったなあと思っています。

また余談ですが、こうやって作品を発表していると、『自分にも作ってほしい』という依頼を頂くことがあるのですが、このネオディケイド&ネオディエンドライドウォッチについては、その依頼が特に多かったような気がします。そう言って頂けるのは評価としては大変ありがたいのですが、もちろん全て、お断りさせて頂いています。自分の基本ポリシーに反しますし、また、特にこれについては、私一人の力で作れるものでもありませんし。

あと、とにかく音声編集作業に膨大な時間を費やしたことも印象深いです。結局600ファイルぐらいMP3ファイルを編集したと思います。頭おかしい。

4. フォームチェンジ対応クウガライドウォッチ

YouTube

動画再生回数 77,892回
高評価数 2,635件
コメント数 319件

Twitter

動画再生回数 17,697回
いいね数 1,219件
リツイート数 582回

前作のネオディケイド&ネオディエンドライドウォッチが死ぬほど大変だったので、次は簡単なものに取り組むつもりでこれを作りました。この頃から「大変なもの」→「ちょっと簡単なもの」→「大変なもの」→…みたいな作り方のサイクルが確立してきた気がします。まあ、「ちょっと簡単」なだけであって、すぐできるわけでは全然ないのですが。

やりたかったのは、万丈ライドウォッチで一度やったフォームチェンジをもう少し突き詰めるのと、あとジオウ本編でライドウォッチが押されたときに出てくるCGエフェクトの再現です。もちろん現実的には不可能なのですが、それに近しいものを玩具的に再現できないかと思って、特にライドウォッチ起動のときの円を描くような発光エフェクトは拘って作ってみました。

前作のネオディケイドライドウォッチと組み合わせることでライジングフォームを発動させる、というのは、我ながら良いアイデアだったかなと思っています。「玩具的におもしろいかどうか」というのは、作品を作る上でいつも意識しているところです。

5. ZXライドウォッチ

YouTube

動画再生回数 417,945回
高評価数 8,100件
コメント数 887件

Twitter

動画再生回数 121,351回
いいね数 8,515件
リツイート数 4,766回

カイザフォンXに続く、今年頭がおかしかったもの第二弾です。Twitter上でどなたかが『怪作』と評してくださっていたのですが、正にその言葉がピッタリだと思います。自分の持てる技術を全部突っ込んで、やり過ぎるぐらいにやり過ぎた(?)作品だと思います。タッチパネルで1号〜ZXまでの音声に対応させるだけでも充分なところを、さらにジクウドライバー側の表示まで連動させて変更してしまうのは、どう考えてもやり過ぎです。正直言って、過去最高に途中で投げ出してしまいたくなった作品なのですが、Twitterのタイムライン上に流れていたどなたかの言葉を借りれば、『思いついてしまった圧力』と言いますか、自分がそういうギミックを思いついてしまったからには、これはもう自分が世に出さないと、こんな面倒なこと他に絶対誰もやってくれないぞ、だから見たかったら自分がやるしかないぞ、という気持ちで最後までやりきった感じがします。YouTube、Twitterでトータルで考えると、これが今年一番評価された作品だったと言えると思います。

これを実現する上で大きかったのは、昭和ライダーのイラストを描いてくれる協力者の方に出会えたことです。今作に引き続き、実は今作っている次作でも大いに協力して頂いているのですが、彼が昭和ライダーのイラストを描いてくれると言ってくれなければ、この作品は構想だけでお蔵入りになっていたと思います。私は絵は描けないので。ネオディエンドライドウォッチでのK様の塗装もそうですが、自分ができないところを協力してくれる方が現れたことで、作れる作品の幅が広がった一年だったと思います。本当にありがたいことです。

ちなみに、この作品を発表する際に、「『BLACK (RX)、真、ZO、Jは何で入ってないんだ!』的なコメントが結構来るかもな〜」と思っていたのですが、予想より遥かに多くそういうコメントを頂きました。自分的には、BLACK(正確にはRX)以降のライダーのライドウォッチは劇場版のバールクス、ゾンジスでフォローされていたので、区切りとしては丁度良いと思っていたのですが、『昭和ライダー=1号〜Jまで』という定義を絶対とする方が予想以上に多くてびっくりしました。これはきっと、劇場版の『平成ライダー対昭和ライダー』の功績ですね。

一応製作者の自分としては、この作品はZXを区切りとするのがベストだったと確信しています。無理にBLACK, 真, ZO, Jを入れ込めば、イラストと音声ぐらいまではギリギリ対応できたとしても、きっとそこまでで、皆が驚くようなギミックが搭載されない(できない)『秀作』どまりの作品になっていたと思います。登場させるライダーの数と盛り込むギミックの内容の両方を考慮すると、最高のものにするのにZX以外の選択肢はなかったと思います。

6. エイムズバックル

YouTube

動画再生回数 72,741回
高評価数 1,063件
コメント数 163件

Twitter

動画再生回数 6,875回
いいね数 670件
リツイート数 232回

前作のZXライドウォッチでほぼほぼ燃え尽きてしまったので、ちょっと毛色の違うことをやってみようと思ってトライした作品です。モノとしては非常にシンプルなのですが、実は裏側では結構苦労していて。このエイムズバックルは『いろんな人が実際にやれるものを作ってみよう』ということをテーマにしていたので、実際に皆様がDMM.make様に頼んで部品を3Dプリントして組み立てたときに「なんかこれプログライズキーを挿したときの傾きが微妙なんですけど!」など言われないようにするために、部品の3Dデータの設計を何度もやり直しました。自分の家の3Dプリンタで出力したときはOKでも、DMM.make様の方で出力すると微妙にサイズが違う、ということが何度もありました。。。当然向こうの方が良い3Dプリンタを使っているはずなので、こちらのプリンタの精度の問題だと思いますが。

ちなみに、DMM.make様の方で実際に部品が注文された数は11件ほどです(無料で公開している3Dデータのダウンロード数は不明)。YouTube動画の再生回数は7.2万回なので、やっぱり誰かに『やってみてもらう』というのはかなり難しいことだなあと感じています。

今回、『タイプA: 斜め固定型』『タイプB: 横固定型』『タイプC: 可動型』の3タイプを作っていて、『タイプBの横固定型はゼツメライザーみたいに遊べますよ〜』なんて言っていたら、このたび更に『タイプAの斜め固定型はレイドライザーみたいに遊べますよ〜』と言えるようになりました。これを作ったとき(←ゼロワン放映開始から一ヶ月)にはそんなものが出るなんて当然知る由もなく、完全な偶然です。

あと、珍しいこととして、動画の中で私が実際にエイムズバックルを装着して変身動作を行なっているということがあります。私は普段は手しか動画に出さないのですが、このエイムズバックルについては、特に可動型については、実際に着脱している様子を見せないとその良さが伝わりにくいと思いましたので、恥ずかしながら自ら登場することに致しました。撮影中に奥様に部屋に入ってこられたのは誤算でした。

おまけ

YouTube上で作品として公開したのは上記の6つですが、正式な作品としてはカウントせず、Twitterの方だけで軽くご紹介していたものも、ここでまとめておきます。

1. ゲイツリバイブライドウォッチ発光改造

 

ファイズアクセルXを作り終えてネオディケイド&ネオディエンドライドウォッチの製作に入ったとき、これは長い時間がかかるということは容易に想像できたため(←実際、4ヶ月弱かかりました)、その間のYouTubeの視聴者様方への『繋ぎ』として何か作れないか、と思って作っていた作品です。

ポイントは、マイコン(Arduino)なしで、『剛烈』と『疾風』を切り替えたときに発光色が自動で赤・青に切り替わる、という仕組みです。これができれば、「プログラムができない」と言って普段改造には手を出さない方も「ちょっとやってみようかな」と思ってもらえるかな…と思っていたのですが、実際やってみると、ゲイツリバイブライドウォッチが想像以上に内部スペースに余裕がなく、電子回路の部品(抵抗)を筐体外に出さざるを得ないなど、完成度的にかなり問題のありそうなものになってしまったので、正式な作品とはカウントせずに、Twitterで「ちょっとやってみた」程度の紹介で留めました。

他にも、「砂時計の中身をもっと本物の砂っぽい部品に置き換えてみるとどうなるか」なども色々試したのですが、どれもイマイチな結果となってしまいました。残念。

2. フォースライザーお手軽改造

  

フォースライザーは発光部分のLEDが剥き出しになっているので、「こうするとちょっとカッコ良くなるよ」とツイートしてみたら、439いいね+139リツイートというちょっと予想以上の反響があったので、せっかくなのでご紹介します。プラモの改造用部品を両面テープで貼り付けるだけの超お手軽改造です。気に入らなければ剥がせばOK。やっぱり、何かをやってもらおうと思うと、リスクを下げてあげることが非常に大事だなと、改めて思いました。

フォースライザーの改造については、

  • ピン延長 or バネ交換による必殺技暴発防止
  • プログライズキー装填時の蓋浮き上がり防止

の2つがメジャーかと思いますが、自分も結局両方やりました。その方が遊びやすくなるので。

3. アサルトグリップ発光改造

 

「ちょっとやってみよう」と思って、実際2時間ぐらいで出来ました。中の回路も非常にシンプルで、ボタンを押した時に導線が接触してLEDが発光するだけ。自分が普段作る作品は「あんまり乱暴に扱うと壊れちゃう…」みたいな感じで慎重に扱わなければならないことが多いのですが、これはそんなことを気にせずガンガン遊べるので、実は非常に気に入っています。シャイニングホッパー&アサルトウルフには発光機能がないので、これが補完的な位置付けになってくれているのも良い感じです。

 

 

以上、2019年につくった作品達でした。6作品+α。作品数としては例年並みですが、一つ一つのクオリティが昨年よりもパワーアップしているかな、という感じがします。実際、それは作品の評価にも現れていて、2019年の開始時には確か6,000人ぐらいだったYouTubeのチャンネル登録者数が、現在は20,000人程度となりました。基本的に自分が作りたいものを作るので、他の方の評価は二の次になるのですが、やっぱりたくさんの人に見てもらえる方が作りがいがあります。いつも見てくださる皆様、ありがとうございます。

また、ZXライドウォッチのところでも触れましたが、今年は自分の不得意分野について、スペシャリストの方々のお力をお借りすることで、これまでなら諦めてしまっていたような作品も生み出すことができるようになりました。これは非常に重要で、ありがたいことです。今後も、自分一人で完結させる形でものづくりを進めることを基本にはしますが、他の方の力をお借りした方が作品として絶対に良くなると思ったときには、積極的に力をお借りしに行く形で進めていければと思っています。もちろん、先方のご都合最優先ですし、基本的には自分一人で完結できるよう、自分自身を鍛えることも同時に行なっていきたいと思います。

ただ、今年はちょっと、こちらの活動に力を入れ過ぎて本業の方を疎かにしてしまった感が結構ありますので、来年は多少抑えめにしながら進めていこうかな、と思っています。どうなるかはわかりませんけれど。

 

そして2020年最初の作品ですが、実はほぼほぼ出来上がっていて、年明け一月の第一週〜第二週ぐらいには公開できると思います。現在動画編集中ですが、30分を超えてしまっているので、比較的皆様の時間に余裕があると思われる第一週中になんとか公開したいな、と思っています。今回は、カイザフォンXやZXライドウォッチとかと比べると結構変化球な気がするので、どんなふうな評価を受けるのか、楽しみなような怖いような、という感じです。少なくとも自分で遊んでいる分には、とても楽しいのですけれど。

 

それでは、今年も一年お付き合い頂きありがとうございました。来年も、活動としては多少抑えめにはなるかもしれませんが、ものづくりをやめる気は全然ないので、引き続き宜しくお願い致します。

皆様良いお年を。