フタを回して光る!発光フルボトルの作り方

『仮面ライダーエグゼイド』が本日最終回を迎えました。この一年間とても楽しませていただきました。本作品の制作に関わった全ての方々にお礼申し上げます。

さて、来週からは『仮面ライダービルド』が始まります。今回のコレクトアイテムは『フルボトル』。ギミックがベルト集約型なので、ガシャットのときみたいに単体をいじってオリジナリティの高い作品を作るというのは、今回は難しそうです。デザイン関係のスキルを持っている人であれば、塗装とかでボトルのデザインを変えたりもできるのかもしれませんが、生憎私にはそのスキルはございません。

電子工作スキルしか持っていない自分にできることは、今回はおそらく、ボトルを光らせることぐらいです。サイズ的にも、音を鳴らすような改造は不可能です。

で、光らせるだけだと、やっぱり考えることは皆さま同じなので、現時点(2017/8/26)で既に先人の方がおられます。まだビルドの放送も始まっていないのになあ。。。。


ただ、どちらの方もスピード重視で取り組まれているようなので、発光ユニットを中にエイヤと放り込まれる方法を採用しています。これだと発光のON/OFFが大変で、ちょっと遊ぶには不便そうなので、もう少し遊びやすいような発光ギミックを考えてみたいと思います。具体的には、フタを回すことで発光のON/OFFを切り替えられるようにしたいと思います。フルボトルでできることは基本的に「本体を振る」と「フタを回す」ことだけですが、後者はほとんどあってないようなギミックなので、これに意味を持たせたいと思います。

というわけで買って参りました、ゴリラモンドフルボトルセット。

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ギミックはこの2つだけ。うーん、シンプル。

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こちらはダイヤモンドフルボトル。ギミックは少ないけど綺麗です。

 

ではでは、早速分解していきましょう。

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ネジ止めは裏面四箇所のみです。

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内側にあるネジを外すともう少し部品をバラせますが、今回はここまでで十分です。

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こちらはゴリラフルボトルの液体(?)パーツですが、液体パーツは共通で強めのはめ込み式(?)になっているようなので、頑張れば外せるかもしれませんが、変に傷ついたりはめ込みピンが折れたりするのも嫌なので、今回はここは開けません。

 

さて。発光改造をするにあたり、一番の問題は「電池をどこにどうやって入れよう?」というところです。

冒頭の動画のように発光ユニットを丸ごと突っ込む形だと、液体パーツ部分に電池が来ることになります。これはこれで「なるほど」という感じなのですが、このやり方だと、上下に振動する液体パーツから導線を伸ばしてボトルの蓋に接続してなんやかんやするのはちょっと難しそうです。

ということで、なんとか電池を入れられそうな場所を作ってみます。

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最初はこんな感じで、頑張ってガイドバーツ(←液体パーツをスムーズに上下させるためのガイド)を残しつつ電池を埋め込めないか頑張ってみたのですが、このやり方だと電池の接触不良が頻発してしまったので、断念しました。その後、このガイドパーツをエイヤと取り去ってしまって振り心地(?)を検証した結果、そこまで大きく振り心地は劣化しないことが確認できたので、思い切ってこのガイドパーツをカットしてしまうことにしました。

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このパーツを、

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こんな感じで。面が平らになるぐらいまで切り取ることができればOKです。

次に使用する電池ですが、LEDを発光させるためにはだいたい3V程度必要です。上の写真のようにLR44を2個直列に繋ぐ方法も試したりしてみたのですが、最終的には省スペースでかつ単体で3V出力が可能な以下のCR2032を使用することにしました。

「タブ付き?なぜ普通のCR2032ではないの?」と思われた方もおられるかもしれません。最初は私も普通のCR2032を使おうと思っていたのですが、この場合に難しくなるのが、リード線(配線)の電池への固定です。

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これは上と同じでLR44で試行錯誤していたときの写真ですが、こんな感じでテープで線を固定しようとすると、いくらしっかりつけたつもりになっても、かなりの確率で接触不良が発生します。特にフルボトルは振って遊ぶものですから、テープで一時的に固定できても、遊んでいるうちに接触不良を起こす確率は極めて高いと思われます。

そのため、確実に配線を固定するにははんだ付けがベストなのですが、電池の電極に直接はんだづけすることは大変危険です。絶対にやめてください。ということで、何か良い手がないか考えていたところ、過去にスーパーファミコン用ソフトのバッテリーバックアップ電池の交換用の電池をいくつかストックしていたのを思い出しました。これなら、タブを使って間接的に半田付けをすることができます。

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ということで、タブ付きCR2032です。これのマイナス側(写真表側)の端子を、

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こんな風に水平に折り曲げて、

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一応抵抗を半田付けしておきます。半田づけはタブですが、熱は普通に伝導するので、手早く終わらせます。LED一個をこの電池で光らせる程度なら抵抗はなくても大惨事にはならないと思いますが、一応申し訳程度に47Ωを挟んでいます。

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この電池を実際にフルボトルにあてがってみると、微妙に収まりきらないので、干渉するネジ穴の部分を少しニッパで切り取ります。

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こんな感じになればOKです。

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この時点で、電池はクリアパーツに固定しておきます。周囲をテープで貼るぐらいで大丈夫です。

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改めて電池をフルボトルにはめ込んでみて、LEDの位置決めをします。液体パーツが上下に移動したときに干渉しない位置にLEDが来るようにします。LEDの先端が90度曲がっているのは、正面から見たときに発光をわかりやすくするためです。指向角度の大きいLEDを使うときは、そのままの向きでもいいかもしれません。

なお、LEDの大きさは3mmのものを使用しています。3mmであれば、液体パーツを分解せずに、LEDを中に通すことができます。これ以上の大きさのLEDを使いたい場合は、液体パーツの分割、もしくは液体パーツの穴の大きさの拡大が必要になります。

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LEDのカソード側を先ほどの抵抗に接続し、アノード側は90度折り曲げて横に出します。アノードの線が抵抗や電池に接触してしまいそうなら、写真のように絶縁テープを貼っておくと良いと思います。

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次に、電池のプラス側の端子と、先ほどのLEDのアノードの線の先に、細めのリード線を半田付けします。このリード線には、自分はスイッチサイエンスさんで取り扱っているシリコンワイヤーの被膜をとったヨリ線を軽く半田でコーティングしたものを使いましたが、細めのものなら何でもよいです。長さは、フルボトルの底からフタまで届くぐらいあれば十分です。

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こんな感じですね。この時点で、この二本の線を接触させたときにちゃんとLEDが発光するかを確認しておきましょう。

 

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これで電池側の方の作業はだいたい終わったので、次に電源スイッチとするフタ側の方の作業をします。液体パーツのガイドパーツが貫通する穴のところに、

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こんな感じで、裏表が繋がるような形で導電性テープを貼り付けます。

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そして、フタ部分の裏面に同じ導電性テープを貼り付けてやれば、

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このような状態からフタが回転して、

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ラベルが正面に来たときに、二つの導電テープの面が通電するという仕組みです。

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というわけで、先ほどのLED・電源ユニットから延ばした線を、なるべくボトルの裏面に沿うように伸ばして、先ほどの導電性テープに半田付けします。この延ばした線ですが、お手軽にやるならこの方法で良いのですが、やっぱり液体パーツを上下させるときに多少干渉する可能性があります。このリスクを避けたい場合は、もう一手間加えて、ボトルの台座とクリアパーツに穴を開けて、ボトル背面の認識ピンとボトルの間にある空間に線を通すというやり方もあるかもしれません。自分は今回は試せていません。

ちなみに、自分は導電性テープに以下を使用しました。

はじめは「通電すりゃ何でもいいかな?」と思って、100均で買ったアルミテープを使っていたのですが、電池のときと同じで、線の固定に難があって、こちらも接触不良が頻発しました。結局こちらも半田付けでの固定が必要になったのですが、アルミテープだと半田付けができなかったので、ちょっとお高いですがこちらのテープを使用しました。

 

以上で配線はおしまいです。元どおりにパーツを組み上げていきましょう。

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導電性テープを貼ったことにより、液体パーツのガイドが穴を通らなくなってしまう可能性があります。この場合は、

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干渉する部分だけニッパでカットしてしまえばOKです。少しだけならカットしても動作に影響は出ません。

 

で、こちらが完成品です。

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正面から見ると、ほとんど市販品と変わりません。

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横から見ると、上下に走る線がボトル内部に見えていますが、言われなければ案外気になりません。

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底には丁度ぐらいの大きさで電池が収まっています。

 

ではでは、発光させてみます。せーの、

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カチ。

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おー、ついたついた。

 

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ゴリラフルボトルも同様に発光改造しましたので、並べてみました。ダイヤモンドフルボトルの方が明るいですが、これは単純に使用しているLEDの明るさ性能がそのまま反映された結果です。ゴリラフルボトルの方はトリコン社製の電球色LED(THCW6A-3A25-C, 3.3V, 20mA, 5500mcd)、ダイヤモンドフルボトルの方はOptosupply社製のアイスブルー色LED(OSB64L3131A, 3.1V, 20mA, 12000mcd)を使用しています。

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ちょっと暗めの部屋で照らすと、何だか良い感じです。

 

というわけで、フルボトルの発光改造でした。一応、振ったときのシャカシャカ感はできる限り殺さないように改造してみたつもりですが、まだまだ改善の余地はあると思います。また、今回はLEDの発光位置は中央で固定になっているので、「いやいや、発光部分も液体パーツと一緒に上下させなきゃダメだ!」という場合は、また別のアプローチを考えなくちゃいけないと思います。「振った時だけ発光させるんだ!」という仕様にしたい場合も、別の回路構成が必要ですね。

そんな感じで、シンプルで改造の余地があまりなさげなフルボトルですが、こだわればまだ色々できそうな気はしますので、また何か思いついたらチャレンジしてみたいと思います(本業と育児の間で時間があれば。。。)