ウェアラブルカメラ BLINCAMレビュー

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少し前の話になりますが、以前クラウドファウンディングで投資していたBLINCAMが届きました。「BLINCAMとはなんぞ?」という方がほとんどだと思いますので簡単にご説明しますと、「ウィンクでシャッターを切れるカメラ」です。詳しくは以下をご参照くださいませ。

元々は2017年の1月ぐらいに届く予定のものだったのですが、およそ半年程度の遅れで到着致しました。

この程度の遅れはクラウドファウンディングではよくあることですが、このBLINCAMはコンセプトや利用シーンがわかりやすくてキャッチーだったためか、とても多くの人の投資を集めており、おそらくその中には「これが初めてのクラウドファウンディング」という方も多く含まれていたのだと思います。活動レポートを眺めていると、初めは「楽しみにしています!」的なコメントが入っていたのが、進捗遅れの報告が増えてくる後半になると「どうなってるんだ」「キャンセルしたい」「返品したい」等々の容赦のないコメントが目立ち始めるので、見ていると胃が痛くなること請け合いです。

余談ですが、クラウドファウンディングの開発遅延でお怒りの方々は、一度このあたりを見てみると、少し心を落ち着けることができるかもしれません。「まあ、商品が届いただけでも御の字だわ」と思えることでしょう。

さて、前置きが長くなりましたが、レビューに入りたいと思います。

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パッケージはとても綺麗です。メガネに取り付けるものなので、メガネケースを意識しているのだと思います。

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裏面。iOSとAndroidの両対応であることが明記されています。ちなみにちゃんとMFi (Made for iPhone)の認証をとった製品ですが、この認証をとるのに時間がかかってしまい、それが原因でまた投資者からのクレームがついてしまうこともあり。。。ああ胃が痛くなる。

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中もいい感じにパッケージングされています。

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本体以外の内容物はだいたいこんな感じです。充電ケーブルと、簡単な取説と、あとメガネにBLINCAMを取り付けるためのアタッチメント。S・M・Lの三種類です。

 

ではでは、さっそくメガネにとりつけてみましょう。

 

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。。。とても不安定です。どのアタッチメントにしてもプラプラします。

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私のメガネのツルの部分。これの程度でも婉曲したものになってしまうと、BLINCAMは安定して取り付けることができません。とてもメガネを選ぶデバイスなので、BLINCAM愛の高い方は、これのためにツルがストレートなメガネに新調するのも良いと思いますが、とりあえずこのまま評価を進めていきます。

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BLINCAMは専用のアプリがあって、このアプリを使って撮った写真の内容を確認したり、ウィンクセンサーの挙動をチェックしたりできます。

BLINCAMのカメラ自体の性能は500万画素で、それを内部で120万画素に解像度を落としています。これはBLINCAMで撮った写真をスマホで見る際に、画素数が大きいままだとBLINCAMからスマホへの写真データの転送に時間がかかることへの配慮です。ただ、設定で500万画素のままにしておくことも可能です。その場合、一枚の写真をスマホで見れるようになるまでにだいたい30秒ぐらいはかかります。

最近のスマホの高解像度の写真を見慣れている人は、120万画素の写真を見たとき、かなりがっかりしてしまうかもしれません。その場合は、設定を500万画素にして、写真の確認はあとでPCでする、と割り切ってしまうのも良いと思います。BLINCAMはUSBケーブルでPCに繋げば、PC上で写真を確認することができます。自分はMacと繋いだときに初め認識してくれなくて焦りましたが、BLINCAMの電源を入れた状態で接続すると、無事に中の写真を確認することができました。

参考程度にですが、

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これが120万画素バージョンで、

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これが500万画素バージョンです。BLINCAMは暗いところでの撮影が苦手なので、屋外だともっといい感じの写真が撮れるかもしれません。

あと、実際の目より幾分右側にカメラが取り付けられる形になりますので、被写体を真ん中に納めるような写真を撮りたい場合は、どうしても「意識的にやや左側を見て撮る」といった工夫が必要になります。これはまあ、そういうものなのでしょうがないです。

私は写真の専門家ではないので、画質の良さがどうとかは、これ以上語るのはやめておきます。ここからは肝心のウィンクシャッター機能にフォーカスして使用感をお伝えしようと思います。

 

最初、全然ウィンクに反応してくれませんでした。そのくせ、ウィンクしていないときにシャッターが暴発することはしばしば。BLINCAMの位置をうまく合わせると、ウィンクにはそこそこ反応してくれるようにはなります。つまり、「メガネのツルのどこにBLINCAMを固定するか」がとても重要なのですが、先に述べたとおり、私のメガネに対してBLINCAMはプラプラです。仮に良い位置を見つけても、ちょっと頭を動かすとすぐにずれてしまいます。

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ということで、苦肉の策。

 

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ぐるぐる巻きの輪ゴムで固定 …!あと、ツルの横ではなく下に取り付けるようにしてみました。こうすると、とりあえずこれまでに比べてウィンクへの反応はだいぶ良くなりました(暴発は変わらずですが)。

でも、このままだと見た目があんまりにもあんまりですので。

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3Dプリンタでこんな部品を作ってみました。

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こんな感じでBLINCAMを穴に通して。

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こう引っ掛ける。本当は前後のパーツで引っ掛けパーツの長さを微調整しないと若干傾いてしまうのですが、面倒なので一旦は同じパーツで。

とりあえずこれで、ゴム留めしたときと同じようなレベルでウィンクに反応してくれるようになりました。ただ、シャッターの暴発は相変わらずそこそこあります。

個人的な感触ですが、ウィンクをする前に一旦顔の表情を無にリセットしてからウィンクをすると、成功率が上がる気がします。せっかく子供が良い表情をして遊んでいるのに顔を無にするのは、いささか難しい話ではありますが。

 

これでとりあえずある程度ウィンクでシャッターを切れるようにはなったので、子供を抱っこしながら写真をいくつか撮ってみたりもしたのですが。。。うーん、これがなかなか、自分の思い描いていたような写真がとれません。だいたいはブレているし、先に少しお話した「目から少しズレた位置にカメラがある」ということもあって、被写体が見切れていることもしばしばあります。思い通りに写真を撮ろうと思うと、結構な慣れは要求されると思います。

 

ということで、BLINCAMのレビューでした。個人的な感想としては、ウィンクシャッター機能は(取り付けの調整さえすれば)ちゃんと動作はするし、いつも趣味で自分のためだけの適当な作品ばかり作っている自分からすれば、実際に商品として世に出すまで最後までやりきったというだけでも本当にもう凄いと思うのでのですが、自分の満足度としては100点満点中の70点ぐらいかなあと思います。モノとしてはとても面白いし、利用シーンも明確なのですが、それゆえに思い通りに写真が撮れないことに対してフラストレーションがたまりやすいです。

ただ、モノとしては面白いのは間違いないと思うので、今後のバージョンアップに期待します。今すぐ手に入れたいという人は、とりあえず「ものすごくメガネを選ぶデバイスです」ということだけ覚えておいて頂ければと思います。