『ライブアライブ (HD-2D リメイク) 』感想

年末年始の休暇で、発売されてから子供の習いごとの隙間時間に少しずつ進めていたリメイク版『ライブアライブ』をようやくクリア。感想記事とかは滅多に書かないのですが、これは何というか、書かなきゃ気が済まないので書きます。

以下、ネタバレ全開なので未プレイの方はご注意ください。

 

 

良かった。ただただ良かった。クリア後もサントラで『GIGALOMANIA』をエンドレスに聞いては最終戦を思い出してるぐらいには良かった。

その最終戦と『GIGALOMANIA』。ソフト発売後は基本的に『ライブアライブ』の情報は全てシャットアウトするようにしていたのですが、発売と同時に入手したサントラには、一番最後にSFC時代にはなかった曲名、『GIGALOMANIA』が追加されていました。

これを見たとき、「あ、なんかリメイクで隠しボスとか追加されたな」ということは察したのですが、その真実はゲームをプレイする中で知りたかったので、それ以上深追いはしないようにしました。サントラを聴くときも、2枚組のDISC-2は聞かないように徹底。どうしても攻略サイトを見たくなったとき(原始編のアイテム合成とか幕末編の0人斬りとか)に、うっかり『Sinオディオ』なる存在がいることは知ってしまったのですが、これもそれ以上の深追いはしないようにしました。

今は基本的にゲームをしなくなってしまったのですが、子どもの頃は本当にゲームばっかりやってた気がします。なので、好きなゲームはたくさんあるのですが、自分にとって『特別』だったと言えるゲームを挙げるとしたら、自分は真っ先にSFCの『ライブ・ア・ライブ』を挙げます。次いで『MOTHER2』かな。どちらも、当時小学生だった私がサントラCDを買っていたことからも、その特別さが良くわかります。

(最近実家で発掘した当時品)

(“LIVE”の中に一つだけ”LOVE”が混じっているのはファンの間では有名な話(?))

書いていて気がつきましたか、どちらも本当に音楽が良い。『ライブ・ア・ライブ』の方は、特にメインテーマ曲の『LIVE・A・LIVE』が本当にカッコよくて大好きでした。おそらく、最終編の戦闘曲がこの曲だったので、何度も何度も聞いていたということもあると思います。メインテーマが通常戦闘曲、というのは、数あるゲームの中でもかなり珍しいのではないでしょうか。最終編は基本的に雑魚戦との戦闘がメインなので、このときに流れる音楽は本当に何度も何度も聞くことになるのですが、飽きずにずっと聞ける、むしろカッコ良いからずっと聞いていたいと思える、そんな名曲でした。そらサントラも買うというものです。

(こちらも最近実家で発掘したソフトの当時品。流石に染みができたりしてるけど、比較的綺麗)

小学生だった当時の自分が『ライブ・ア・ライブ』を買った理由は、もはや30年近く前の話なので記憶が曖昧ですが、確か『ファミマガ(ファミリーコンピュータ・マガジン)』という雑誌で存在ぐらいは知っていたところで、『そして世界は一つになる』みたいな感じで7つの世界の主人公が集まってるシーンだったり、真の主人公っぽい人物の姿が公開されたりして、『スゲー!絶対コイツを主人公にしよう!』みたいなテンションになって購入、という経緯だったと思います。

そんな経緯での購入だったので、『ライブ・ア・ライブ』の全てを知っている皆様からするとお察しですが、中世編をクリアしたときの私たるや、『?????????』という状態でした。私が思っていた『真の主人公っぽい人物』 – オルステッド – は、主人公になんかできやしない。いや、でも何か選べる? どゆこと???

私の中で『ライブ・ア・ライブ』が特別になっている一因は、ここ、最終編の主人公選択でオルステッドを選べたこと、これが間違いなくあると思います。魔王となって、これまで自分が操ってきたヒーローたちを抹殺する –  今でこそ、善悪反転みたいなシナリオは珍しくないかもしれませんが、当時のゲームとしてはかなり異例だったのではないかと思います。少なくとも、ほぼほぼ勧善懲悪しか知らなかった当時小学祭の私には、今でもこうして語りたくなるぐらいの衝撃でした。

自分が考えていたオルステッドは、主人公にはできない。代わりに主人公に据えたのは、アキラでした。理由は単純、見た目がオルステッドに次いでカッコ良くて主人公っぽいから。小学生らしい。他のメンバは心山拳師範(ユン)、おぼろ丸、キューブにしました。ユンの旋牙連山拳が大好きでした。キューブのハイスピードオペも。

ピュアオディオ(オルステッド)撃破後に、トドメは刺さず、最後に全員がもう一度、それぞれのライバル(オディオ達)を倒して真エンディングを迎える – この流れも本当に大好きでした。

SFCの『ライブ・ア・ライブ』について私が語れるのはこれぐらいです。当時小学生だった私には、各編についての深い考察や、各キャラ、特にオルステッドの心情について思いを馳せることなど到底できようもなく、ただとにかく、自分の中に強い印象を残したゲーム、という位置付けでした。

時代が流れ、大学生になってWebを普通に使い出すと、どうやらSFCの『ライブ・ア・ライブ』は、世間的には『同時期の大作の影に隠れた名作』的な扱いを受けているということがわかってきて、「俺は知ってるぜフフン」みたいな嬉しさがありました。

そしてさらに時は流れ、小学館との版権絡みで配信やリメイクは諦めていたところに、まさかのバーチャルコンソールでの配信が決まり、そしてついに待望のリメイク決定。これは買わない理由はないでしょう、ということで、先に述べたとおり、隙間時間に本当に少しずつ進めて、半年かけてようやくクリア。ちなみに今回の最終編のパーティーは主人公・心山拳師範(レイ)、他はおぼろ丸、サンダウン、アキラとしました。

ボイス追加、演出面の向上、遊びやすさの向上、褒められる点は多々あると思うのですが(※唯一、デフォルト名だけはボイスつけて欲しかった…)、熱心なファンの方々には申し訳ありません、「まあ、一度やったゲームだしな」と基本淡々とプレイしていた私の焦点はただ一つ、『GIGALOMANIA』から推察していた、「最後に何が追加されているのか」でした。『MEGALOMANIA』とは何なのか。『Sinオディオ』とは何なのか。

「ゲームクリアしたら挑める裏の強ボスかな」ぐらいに思っていた私は、最後の最後、各編のオディオを再撃破した後のシナリオ変化に「え?」となり、そして現れた『Sinオディオ』。そして流れる初めて聞く曲。間違いない、これが『GIGALOMANIA』。

正直、ラスボスとしての強さはそれほどでもない(←オディオアームを初手の旋牙連山拳の一撃で倒せてしまって逆にビックリした)。どちらかというとイベント戦としての側面が強いラストバトル。歯応えはない。でもそんなのどうでも良い。そう思えるぐらいの最高の演出。どれぐらい最高だったかというと、こうしてわざわざブログ記事を書き始めてしまうぐらい。

Sinオディオを追い詰めたところで4人全員が強制戦闘不能。そこで、「まさか来てくれるのか?」と思ったら本当に来てくれた、残る3人のメンバー。私の場合はキューブ、ポゴ、高原日勝。このときの参戦セリフがまたカッコ良い。いや、キューブはいつもの電子音、ポゴはいつもの言葉にならない言葉なんだけど、それでもカッコ良い。高原に至っては「最強は…俺達だ!」てもう、クソカッコ良い。ボイス有りで本当に良かった。「」じゃなくて「俺達」なのも良い。時間ないからやらないけど、他のメンバーの参戦台詞も是非聞きたい。

3人の奮闘の後、元の4人が戦線復帰し、遂に最初で最後の7人主人公集結バトル。この時点でもう何でしょう、適切な語彙が見つかりません。かつてありえなかった夢の光景とでも言えば良いのでしょうか。

各々が攻撃を繰り出す度に自我を取り戻していくオルステッド。

※ちなみに、このときカットインでオルステッド(オディオ)のセリフとボイスが再生されるのですが、ここでなぜか表示と音声再生が噛み合わないバグ…なぜここで…

本記事の冒頭からずっと言及している、最終戦のBGMである『GIGALOMANIA』。プレイ中は言葉として認識できていませんでしたが、メインは『届かぬ翼』と『魔王オディオ』のアレンジなんですよね。つまりこの最終戦は一貫して、オルステッドとオディオ(憎しみ)の戦い、ということなんだろうなと思います。

そして最後に、再び7人が強制戦闘不能に陥ったとき、最後の主人公、オルステッドが復活を遂げ、プレイヤーがオルステッドを操作可能な状態に。奇跡の8人主人公全員集結(7人は戦闘不能になってるけど)。何だろうこの流れ。

そしてオルステッドは単身魔王に立ち向かい、トドメを刺す。繰り出すは、かつて魔王を倒した伝説の技 –

 

 

 

 

 

ジャンプショット!

 

 

 

 

 

デストレイル覚えてない…ッ!

どうしよう、魔王を倒した伝説の技をジャンプショットで塗り替えてしまった。アムルクレチアが後世に「かつて魔王を倒した技はジャンプショットいうてな…」みたいに伝えてしまう。

正直、中世編をクリアするにはジャンプショットさえ覚えれば充分なのですが、このときほどレベル上げを怠ったことを後悔したことはない。まさか最後の最後でこんなトラップがあるとは(違う)。まあ、敵に飛び込んでトドメを刺すオルステッド、も、絵的にはカッコ良いのがせめてもの救い。

Sinオディオを倒しても、オルステッドの結末は変わらない。でもそれで良いと思っています。理由はどうあれ、オルステッドのしたことの結果だけ見れば、最後は消えて然るべきと思う。でも、超個人的には、オルステッドに対しては「そうだよね」という気持ちしかないです。そうなるよね、と。

 

 

最後に何が追加されているのか」。自分が今回のリメイクで一番期待していたところは、自分にとってこれ以上ないと思えるぐらい、最高のものでした。本当にもう、過去にSFC版『ライブ・ア・ライブ』をプレイしていた人は、これだけのためにSwitch本体とソフトを買っても良いんじゃないかと思っています。是非。何卒。もちろん、噂に聞いてたけどやったことない、という人にもやってほしいですが、何より、過去に『ライブ・ア・ライブ』をプレイしていた人たちこそやるべきリメイクだと思います。28年越しの熟成された感動を味わえるのは皆さんだけですよ。

 

 

 

とは言え。

ここまで私が散々ネタバレで話をしてしまったので、改めて時間・お金のコストをかけてプレイするのはちょっと、という方もおられると思います。

そんな方も、せめてこれだけは見てほしい。私なんかより全然熱量の高い、限界ファンの方のレビュー動画です。

上記の最終戦が第一位になっておりますので、せめてそこだけでも。

この方、本当にライブアライブ愛が凄くて、私は自分がクリアするまではほぼ全ての情報を遮断していたのですが、クリア後の今は心置きなく、この方の動画とかを見ながら、「こんなところも変わってたのか!」みたいな発見を楽しんでおります。

 

というわけで、新年最初の投稿は自分でもまさかのゲームレビューでした。多分二度とないと思います。それだけのことをさせるだけの良いリメイクだった、ということで。みんな、オルステッドはデストレイル覚えるまで育てような!

次回からまた通常の工作記事に戻ります。では。