『未来冒険チャンネル5』

復刊版の『未来冒険チャンネル5 Vol.3』を読みました。待ちに待ちましたよ、15年ぐらい。

 

ほとんどの人は知らないマンガだと思いますが、『南国少年パプワくん』で有名な柴田亜美先生の初期のSF作品です。『南国少年パプワくん』の最終回で、当時、同時期に月刊少年ジャンプで連載されていた『自由人HERO』と同じく、『南国少年パプワくん』との作品世界の繋がりが暗に示されていたのが、当時アニメージュで連載されていた、この『未来冒険チャンネル5』なのです。

横道ですが、『南国少年パプワくん』について、「オカマのカタツムリや網タイツを履いた鯛が出てくる謎のギャグ漫画」という印象しか持たれていない方は、多分3巻ぐらいまでしか読まれていないと思うので、一度頑張って最終7巻まで読んでみるとよいかもしれません。個人的には、すごく感動した物語なのです、パプワくんって。

 

さて、この『未来冒険チャンネル5』。『パプワくん』の登場人物たちが動き始めたあたりから、ホントにもう、いつもワクワクしながら読んでいました。多分、自分の中では一番ワクワクしながら次の話の掲載を待っていた漫画だったんじゃないかと思います。

ただ、当時、柴田亜美先生が月産100ページぐらい書いていたときの作品の一つだったので、後半から無理がたたって休載が多くなってしまい、最終的に未完のまま連載が終了してしまいました。簡単に言うと、5つの惑星を順に攻略していく中での、3つ目の惑星の攻略途中で。

 

それから、15年。遂に、第三惑星のお話が、今回の復刊の書き下ろしで完結しました。最近の柴田亜美先生の怪奇的な画風が入りつつ、見事な完結編だと思います。

ただやっぱり、あくまで第三惑星の完結編、までなのです。

本当に難しいことだとは思うのですが、この物語の本当の終わりまでを、何年でも待つから、読みたいです。ジャンと高松(『パプワくん』の登場人物)の過去に何があって、そしてこの先どういう結末を迎えるのか。ただただそれが読みたいのです。石ノ森先生がライフワークとして取り組み、そして(死後になってしまいましたが)完結させた『サイボーグ009』のように、この作品が完結することを切に願っています。