【簡単改造】量産型ライダー用変身ベルト(エイムズバックル)をつくる

今回はいつもとちょっと趣向を変えて、「簡単にできて遊べる改造」をご紹介したいと思います。『仮面ライダーゼロワン』の玩具『DXエイムズショットライザー』と『DXプログライズホルダー』を組み合わせて、(そんな設定はありませんが)エイムズの量産型ライダー用のベルト的なものをつくってみたいと思います。量産型ライダーの代名詞とも言える、スマートブレイン社のライオトルーパーの変身ベルト(スマートバックル)に倣って、『エイムズバックル』といったところでしょうか。

玩具『DXプログライズホルダー&ラッシングチータープログライズキー』については、ラッシングチータープログライズキーの方が欲しくて買ったので、プログライズホルダーの方は正直あまり関心がありませんでした。ただ、実際買って触ってみるとプログライズキーを着脱したときのカシャカシャした感じが思いのほか楽しくて、カシャカシャしまくっているうちに、

「なんかこの2つを組み合わせれば量産型ライダーのベルトっぽいものができそうだなあ」

と思いましたので、試しにやってみることにしました。

『DXエイムズショットライザー』のバックルには、元々ショットライザーをセットするためのスロットがありますので、ホルダーをここに挿せるようにするためのアダプタパーツを新規に作ってやれば良さそうです。

ということで、アダプタパーツを3種類設計して、3Dプリンタを使って作ってみました。どのアダプタパーツを使用するかで、遊び方がちょっと変わってきます。

アダプタパーツの3Dデータは以下で無料で公開しています。

個人で3Dプリンタをお持ちの方はこちらからデータをダウンロードしてご自由にお使いください。3Dプリンタを持っていない方も、上記のページからそのまま注文することができます。データの使用自体については無料ですが、上記サイトから注文する際には、DMM.make様での素材準備やプリンタ使用の費用、送料はかかかりますので、予めご了承ください。

いずれのアダプタパーツでも、この部分のネジにダイソーで売っている『超強力マグネット ミニ』を取り付けることができます。

 

こんな感じです。これにより、プログライズキーをホルダーにセットしたときに「オーソライズ」の音声を鳴らすことができます。

取り付けには#2サイズのドライバーがあればOKです。プログライズホルダーで使用されているネジをそのまま使用しますので、ネジの買い足しは不要です。実際の作り方については、動画を見て頂いた方が早いと思いますので、そちらをご確認ください。

 

以下、それぞれのアダプタパーツを使った場合のバックルのご紹介になります。動画とほぼ同内容ですが、少しだけ補足しています。

 

まずはタイプA、斜め固定型です。

一番最初に設計したアダプタパーツがこれです。シンプルな構造で、3Dプリントもしやすくなっています。

これを使うと、こんな感じで非展開状態のプログライズキーを斜め方向でセットすることができるようになります。ショットライザー自体が斜め挿しなので、それに類似する形となり、「エイムズの量産型ライダー」感は一番出ているのではないかと思います。個人的には、この斜め挿しスタイルが結構好きです。

音声は装填時の「オーソライズ」と、ボタン押下時のアビリティ名のみの対応で、変身音や必殺技音は鳴りません。この仕様は、アダプタパーツの種類に依らず共通です。頑張れば変身音や必殺技音を鳴らすようにもできるのかもしれませんが、

  • 作るのが難しくなり、「簡単にできて遊べる改造」というテーマから外れる
  • 頑張って仕込んでも、バックルからは音声が鳴らないので、音声が流れる時に変な間ができる
  • プログライズキーを展開しないまま使う「量産型ライダー」という設定なら、変身音や必殺技音が鳴らなくても不自然ではない

という理由で、この仕様でOKとしています。落とし所が大事です。

ちなみにどのアダプタパーツを使っても言えることですが、ちょっと厚みはあります。こちらについては、ご了承くださいませ。

 

続いてタイプB、横固定型です。

アダプタパーツの構造が少しだけ複雑になるので、3Dプリントするときはサポート材をうまく設定してやらないといけないかもしれません。

スタンダードに、横向きにプログライズキーをセットできるようになります。『龍騎』のVバックルみたいな感じですね。変身動作としてはゼツメライズと似たような形になるので、簡易的なゼツメライザーに見立てて、マギアのごっこ遊びに使用するのも良いかもしれません。

 

そして、タイプC、可動型です。

これのみ、パーツが2つに分割されています。強く押し込んでやって、一体化させて完成させます。一度一体化させるとちょっと無茶をしないと外せないので、組み合わせる時は部品の裏表に充分注意してください。

先にホルダー側の方を取り付けてから部品を組み合わせると、間違わなくて安心です。

最初はネジ留め方式を考えていたのですが、「簡単にできて遊べる改造」をテーマにしたため、できるだけ簡単につくれるよう、スナップフィットで可動を実現できるように設計してみました。このための微調整がなかなか大変でした。。。

稼働軸の部分にはストッパーを設けているので、およそ90°しか回転しないようになっています。最初はこのストッパー機構はなしで設計したのですが、これがある方が絶対に遊びやすくなると思いましたので、頑張って微調整を繰り返しながら設計してみました。これもまた大変でした。。。

変身動作としては、ファイズドライバーやロストドライバーを使った変身のようになります。可動によってワンアクション入るだけと言えばそれだけなのですが、このワンアクションが思いのほか楽しく、3つの中で最もプレイバリューの高いものになっているのではないかと思います。ただ、可動機構が入っている分だけ構造的には弱くなっているはずなので、気にせずガンガン遊びたい方は、タイプAかBを選ぶと良いと思います。

 

以上、量産型ライダー用変身ベルト(エイムズバックル)の作り方でした。「簡単にできて遊べる改造」ということで、作業工程ができるだけ簡単になるような改造にしてみました。ただ、タイプCの説明のところでも触れましたが、「私自身の作業」としては、実はそこまで簡単ではありませんでした。

大きさを計測して設計し、試しに3Dプリントしてみてダメだったら0.1mmの単位で調整し。。。というトライ&エラーを結構な回数繰り返していました。おまけに、私物の3Dプリンタで印刷したものとDMM.make様で印刷したものとで微妙に寸法が異なってしまい、結果、DMM.make様へのファイルアップロードと試し印刷依頼も3回ほど繰り替えしたという。。。なかなかの出費。。。

こういうことを自分の手でやってみると、量産技術というのが地味だけどすごく大変で、とても重要な技術だということがよくわかります。バンダイさん含め、大量の商品を世に流通させるメーカーさんというのは本当にすごいです。いつもありがとうございます。

 

ちなみにですが、

アダプタパーツはプログライズホルダーに合わせて作っていますが、必ずしもホルダーにセットする必要もありませんので、アダプタパーツだけを使って全く別の、オリジナルの変身ベルトを作ってみるのも良いと思います。

皆さまの玩具遊びの幅を広げる一助になりましたら幸いです。