ギアトリンガーをカッコ良く発光させる
前作の逢魔降臨暦ワンダーライドブックが死ぬ程大変だったので、今回は比較的お手軽改造ということで、ギアトリンガーをカッコよく発光させるように改造してみました。
何気にスーパー戦隊の玩具を買うのは今回が初めてです。ウチの子供が歯車が好きなので遊ぶこともあるかなというのと、あと何より音声素材として優秀そうなので、とりあえず入手してみました。
ギアトリンガーは非常に良く出来た玩具だと思います。特にギアの歯を認識に使用する仕組みは秀逸です。バンダイが公式ブログで解説したくなる気持ちもわかります。
電装部品を少なめに出来たためか、認識系のアイテムにしては本体価格も比較的お安く、コストパフォーマンスがとても良い玩具だと思います。音声のバリエーションがちょっと少なめに感じるところもありますが、そこは今後の改造の余地があるということで。
特徴
先程述べた通り、コストパフォーマンスに非常に優れたギアトリンガーですが、その分、発光箇所は鳥の目の一箇所だけになっています。しかし、銃のオモチャであるからには、個人的には銃口を発光させたい。ということで、本物のガトリング砲のように、ハンドルを回して砲身が回転するごとに銃口が一つずつ発光するように改造してみました。
発光色は砲身のゴレンジャーカラーに合わせています。
最初はこれだけの改造にするつもりだったのですが、子どもと一緒に『ゼンカイジャー』のOPを何度も見ているうちに、サビの前で五色田介人くんがカッコ良くトリガーを引くシーンが目に留まるようになり、「これもやった方が良い」と思い直し、トリガーを引いた時にも発光するようにしてみました。
ギミックとしては以上で、非常にシンプルですが、玩具としての魅力はこれで数段上がったんじゃないかなと自己満足しています。
仕組み
ギミックとしてはシンプルなので、今回はプログラミングなしでやってみることにしました。プログラミング不要ということは、マイコンを使わなくて良いので、取り扱い注意なリチウムイオンポリマー充電池を使わなくて良く、子供にも安心して遊んでもらうことができます。
プログラミングなしでやろうすると、当たり前ですが電子部品の組み合わせだけで機能を実現する必要があり、自分的には普段使っていない頭を使っているようでなかなか面白かったです。
以下、ちょっと詳しめに解説していきますが、内容的には今回はYouTubeの方とあまり差はないので、読むのがしんどい方は動画の音声付き解説を聞いて頂くのも良いと思います。今回は珍しく、トライアル的にゆっくり音声をつけています。
さて、「銃口をガトリング砲のように発光させる」ということを、やろうとしたとき、解決しなくてはいけない問題は2つです。一つは、発光のためのスイッチをどうやって反応させるか。もう一つは、電力をどこから持ってくるかです。
まず一つ目です。今回は銃口全てを常時光らせるのではなく、本物のガトリング砲のように、一度に一つの銃口を光らせるようにしたいと思いました。そうなると、スイッチを5つつけて、砲身の回転に合わせて1箇所だけONになるようにする、と考えるとわかりやすそうです。
以下のように、物理スイッチをつけて本体くちばしに接触させても良いのですが、
見栄えが悪くなるのと、穴開け加工が面倒なので、リードスイッチを砲身の中に埋め込むことにしました。
これを、本体くちばしの中に仕込んだネオジム磁石と反応させます。
イメージはこんな感じです。
銃口の発光の色は先に述べたとおり、砲身のゴレンジャーカラーに合わせることにしました。具体的には以下を使用しています。
- 5mm赤色LED 625nm 7cd60度 (10個入)
- 5mm黄色LED 590nm 60度 OSY5EA5B61A-QR (10個入)
- 5mm青色LED 470nm 5cd60度 OSUB5161A-PQ(10個入)
- 5mm緑色LED 525nm 9cd60度 OSPG5161A-RS(10個入)
- 5mmピンク色LED OSK54K5111A(10個入)
緑の代わりに白を入れて、ゼンカイジャーカラーにするのも良いかもしれません。
続いて、電源の問題です。砲身が回転しますので、本体側の電池から電力を引っ張ってくると、コードがねじ切れてしまいます。
これを防ぐには、本体側から無線で電力を供給するか、砲身側に別で電源を用意するかのどちらかになると思います。今回は砲身側のスペースに余裕がありますので、こちらにボタン電池を3つ入れます。
今回はマイコンを使用しないので、これだけの電力で充分です。
ちなみに「無線で電力を供給する」を実際にやっているのが、ベルトさんことドライブドライバーです。LEDを高速移動・点滅させて絵柄を表現する「バーサライタ」という仕組みを実現するために、回転部に対して無線で電力を供給しています。
さて、これで「砲身が回転すれば銃口が発光する」という仕組みができました。回路図で表すとこんな感じになります。
誤動作防止のため、電源スイッチをつけています。これは、以前に勢いで作った『不破さん仕様ランペイジガトリングプログライズキー 』での反省です。
不破さんの如く火花エフェクトを出せるように改造したのですが、電源スイッチをつけなかったために、うっかり光りっ放しになって電池がなくなることがたびたびありました。今回は電池交換をしようと思うと全部分解しないといけないので、誤動作防止はなおさら大事です。
さて、このままでは、本体のハンドルを回せば発光しますが、本体のトリガー操作とは連動しません。本体トリガーと連動させるときに問題になるのは、「どうやって本体側のトリガー操作の信号を砲身側に伝えるか」です。
砲身側にコードを直結させると、電源同様コードがねじ切れてしまいます。
そのため、砲身を本体で保持するところで何とか信号を伝える必要がありますが、物理スイッチをON/OFFさせようとすると、トリガー操作のような微小な動きをここまで伝えなければならず、複雑な機構になりそうです。
というわけで、何とか簡単に実現できないかと考えた結果、CdSセルを使うことにしました。環境に良くないカドミウムが使われているということで欧州では使用できなかったりするのですが、部品箱をひっくり返したら何個か出てきましたので、これを使ってみることにしました。
CdSセルは、当たる光の強さに応じて抵抗値が下がる特性があります。私が持っていたものは、通常だと数十kΩ、間近でLEDの光を当てると300Ωぐらいまで下がりました。これを砲身側の回路に挟み込むと、通常時は高い抵抗値によってLEDに流れる電流がかなり小さくなります。
電流が完全に流れなくなるわけではないので僅かに光りますが、許容範囲とします。
このCdSセルに、本体側から光を当ててやることで、非接触で発光をコントロールできるはずです。本体側は、元々トリガー操作と連動して鳥の目のLEDが発光するようになっていますので、これと同期して光るLEDを追加してやれば、鳥の目の光り方と同期して銃口のLEDの明るさも変化するはずです。
ということで、およそ出来そうな目処が立ちましたので、後は組み上げるだけです。以下、組み立て中の写真をつらつらと貼っていきます。
そこそこ手間がかかりましたが、思った通りに動いてくれて良かったです。
まとめ
以上、ギアトリンガーをカッコ良く発光させてみました。今回はとりあえずカッコ良く発光させるだけで終わらせたのですが、まだ何か手を加えられそうな気もしますので、本職(?)の『セイバー』玩具の改造の方でやりつくした感が出てきたら、またギアトリンガーを題材に何かやるかもしれません。
なお、今回はかなり詳しめに説明させて頂いたのですが、これを参考に改造される場合は、あくまで自己責任でお願い致します。
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